秋に注意したい病気 パート2
●日が短くなると増えるうつ
秋はうつが増える季節でもある。東京慈恵医大精神医学講座・山寺亘講師
「日照時間が減るこの時期から”冬季うつ”と呼ばれる季節性気分障害が増えてきます。気分の高揚に関係する脳内ホルモンのセロトニンの働きが低下し、落ち込みやすくなるのです」
冬季うつは、気分がすぐれないだけでなく、甘いものやごはん、パンが急に好きになったり、いくら寝ても寝たりないという症状が出る。
「一番いい予防法は朝起き抜けに散歩するなどして、できるだけ日を浴びること」(山寺講師)
それが無理なら、朝はカーテンを開けてできるだけ朝日を浴びよう。
●ぜんそく持ちは移動性高気圧に気をつけろ
毎年、約6000人が死亡する気管支ぜんそくは、10月頃から患者が急増する。
「気温の急激な低下が気管支の収縮を引き起こし、空気がのどを通りにくくなるのです。しかも秋の日本列島は移動性高気圧に覆われて、上空の気温が地表面より高くなる”気温の逆転”が起きる。そうなると、空気中のほこりが地表面に集まり、ぜんそくの発作が多くなるのです」(東葛病院付属診療所所長・伊東繁氏)
気温や気圧の急変は、関節痛や心疾患、脳疾患なども起こしやすくする。漢方医学では夏場に摂りすぎた余分な水分が体に残って悪さ(痰をつくる、湿気を嫌う肺の働きを弱めるなど)をすることを「湿邪」「痰水(湿)」と呼び、同様に秋にぜんそくや風邪などを発生させると言っています。ちなみに、喘息の痰が水っぽいものや鼻水が薄い水のようなものは「肺寒」といい、肺が冷えていることを示し、痰や鼻水が黄色いものは「肺熱」といい、肺に熱がこもっていて炎症をおこしている事を示しているそうです。寒冷前線や高気圧が近づいてきたら、着るものを一枚多く着込むなどの用心が必要なようです。
なお、インターネットのhttp://www.bioweather.netの「健康予報」を参考にするとよいかも。
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